idea factory from newspaper 2003 8 7
なぞなぞ(play at riddles)
「夏は、暑い方がいい?」
夏は、暑くないと困ります。
夏が、冷夏になりますと、農作物が不作になります。
そうすると、農家の人の収入が減ります。
また、スーパーで売っている農作物の値段が上がります。
夏物衣料が売れなくなります。
ジュースやビール、アイスクリームが売れなくなります。
エアコンが売れなくなります。
だから、夏は暑い方がいいのです。
「景気がよくなれば、みんな、うれしい?」
そうとも限りません。
確かに、株式市場は、よくなります。
しかし、債券市場は、どうなるか、わかりません。
景気がよくなると、長期金利が上昇する可能性があります。
つまり、債券相場は急落します。
債券を買っている人達は、損をします。
また、国債を発行している人達は、金利が上昇するので、
借金の返済が大変になります。
だから、景気がよくなれば、すべて、よくなると考えるのは間違いです。
物事には、二面性があります。
物事には、常に、良いことと、悪いことが、ついて回るのです。
だから、このなぞなぞは、半分正解で、半分間違っています。
たとえば、学校では、ある学生が、夏休みによく勉強した結果、
急に成績がよくなりました。
これはこれで、うれしいことですが、
反面、夏休みに遊びすぎた学生は、成績が悪くなりますので、
クラスのなかで、成績のよい学生と、成績の悪い学生の格差が大きくなります。
これは、クラスの不安定要因になります。
成績の悪い学生が、授業の内容をもっと簡単にしろと言うかもしれません。
いずれにせよ、経済で言うところの「貧富の格差」、
この場合は「学力の格差」が大きくなり、不安定要因となります。
参考までに、次のなぞなぞも考えてみましょう。
「さて、公共事業による景気対策の問題点を検証します。
この政策は、景気が悪い時には、
政府は、借金をしてでも、
公共事業を行ない、
景気回復を図る政策です。
運よく、景気がよくなれば、税収が増えるので、
財政は、大きな黒字になり、
その黒字で、不況の時に作った借金を返済すればよいと考える政策です。」